共有フォルダのExcelファイルを、他の人が編集できないようにする設定のうち、よく使うものは3つあります。 「何を防ぎたいか」で使う設定が変わります。この記事では、3つの違いと設定の手順を画像つきで説明します。
この記事で分かること
- 他の人が編集できないようにする3つの設定と、それぞれで防げること
- 開く人に読み取り専用をすすめる方法(読み取り専用の推奨)
- パスワードを知っている人だけが上書き保存できるようにする方法(書き込みパスワード)
- 決めたセルだけ入力できるようにする方法(シートの保護)

保護したシートで、計算するセルに入力しようとして警告が出た画面
シートを保護すると、入力してよいセル以外を書き換えようとしたときに警告が出ます。
どんな場面でどの設定を使うか
防ぎたいことから選びます。
| 防ぎたいこと | 使う設定 | 開いた人ができること |
|---|---|---|
| 見るだけの人がファイルを開いていて、編集したい人が編集できない | 読み取り専用の推奨 | 開くときに読み取り専用にするかを選ぶ。「いいえ」なら編集できる |
| 編集の担当ではない人に上書き保存される | 書き込みパスワード | パスワードを知らない人は、読み取り専用でだけ開ける |
| 数式や見出しを書き換えられて、計算が合わなくなる | シートの保護 | ロックを外したセルだけ入力できる |
3つは組み合わせて使えます。書き込みパスワードとシートの保護を両方かければ、上書き保存も、決めたセル以外の書き換えも防げます。
どれも誤操作を防ぐための設定で、中身を見られないようにするものではありません。見せたくない情報があるときは、フォルダのアクセス権を管理者に設定してもらうなど、別の方法を使います。
1. 読み取り専用を推奨する
見るだけの人に、読み取り専用で開いてもらうための設定です。保存するときの「全般オプション」で設定します。
- 設定したいファイルを開き、
F12キーを押す - 「名前を付けて保存」画面で、「保存」ボタンの左にある「ツール」をクリックする
- 「全般オプション」をクリックする

「名前を付けて保存」画面で「ツール」を開いたところ
「全般オプション」画面が開きます。
- 「読み取り専用を推奨する」にチェックを入れる
- 「OK」をクリックする
- 「保存」をクリックする(同じ名前で保存するので、置き換えの確認には「はい」を選ぶ)

「全般オプション」で「読み取り専用を推奨する」にチェックを入れたところ
これで設定は完了です。
開くとこうなる
設定したファイルを開くと、読み取り専用で開くかを尋ねる画面が出ます。

読み取り専用を推奨したファイルを開いたときの確認画面
- 見るだけの人は「はい」を選ぶ。読み取り専用で開くので、編集したい人の邪魔をしない
- 編集する人は「いいえ」を選ぶ。いつもどおり編集できる
「いいえ」を選べば誰でも編集できます。あくまで「お願い」なので、編集そのものを止めたいときは次の書き込みパスワードを使います。
開いたあとで読み取り専用を切り替える
読み取り専用で開いたあとで編集したくなったら、「読み取り専用の設定/解除」ボタンで切り替えられます。ファイルを閉じて開き直す必要はありません。
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このボタンはクイックアクセスツールバーに追加して使います。追加のしかたは【Excel】 クイックアクセスツールバーの活用で説明しています。
2. 書き込みパスワードを付ける
パスワードを知っている人だけが、上書き保存できるようにする設定です。設定する場所は、読み取り専用の推奨と同じ「全般オプション」です。
F12キーを押し、「ツール」→「全般オプション」を開く- 「書き込みパスワード」にパスワードを入力する
- 「OK」をクリックする

「全般オプション」で書き込みパスワードを入力したところ
確認のために、同じパスワードをもう一度入力して「OK」をクリックします。最後に「保存」をクリックすれば設定は完了です。
開くとこうなる
設定したファイルを開くと、パスワードを尋ねる画面が出ます。

書き込みパスワードを付けたファイルを開いたときのパスワード画面
- パスワードを知っている人は、入力して「OK」を選ぶ。編集して上書き保存できる
- 知らない人は「読み取り専用」を選ぶ。見ることはできるが、上書き保存はできない
読み取り専用で開いた人も、「名前を付けて保存」で別のファイルとして保存することはできます。元のファイルを書き換えられないようにする設定、と考えてください。
パスワードを忘れると、上書き保存できなくなります。パスワードを管理する人を決めて、控えておきます。パスワードを外すときは、パスワードで開いてから「全般オプション」の欄を空にして保存します。
3. シートを保護して、決めたセルだけ入力できるようにする
数式のセルや見出しを書き換えられないようにする設定です。ファイル単位ではなく、シート単位でかけます。
サンプルのシート
サンプルファイル(記事末尾)の「記録表」シートを使います。黄色が入力するセル、灰色が数式で計算するセルです。

「記録表」シート。黄色が入力するセル、灰色が計算するセル
B列の曜日は =TEXT(A2,"aaa")、F列の金額は =D2*E2 で計算しています。この灰色のセルを書き換えられないようにします。
入力するセルに色を付けておくと、どこに入力すればよいかが一目で分かります。このあとロックを外す範囲とも一致させやすくなります。
ロックと保護の2段階で考える
セルは、最初からすべて「ロック」がオンになっています。ただし、ロックはシートを保護するまで効きません。
そこで、次の順に設定します。
- 入力してよいセルだけ、ロックを外す
- シートを保護する
先にシートを保護すると、すべてのセルが入力できなくなります。
手順1:入力するセルのロックを外す
- A2:A6 を選ぶ
Ctrlキーを押しながら C2:E6 を選ぶCtrl+1キーで「セルの書式設定」を開く- 「保護」タブで「ロック」のチェックを外す
- 「OK」をクリックする

「セルの書式設定」の「保護」タブで「ロック」のチェックを外したところ
この時点では、見た目は何も変わりません。
手順2:シートを保護する
- 「校閲」タブ →「シートの保護」をクリックする
- 「シートとロックされたセルの内容を保護する」にチェックが入っていることを確かめる
- 「OK」をクリックする

「シートの保護」画面
保護したあとで灰色のセルに入力しようとすると、冒頭の画像のように警告が出ます。黄色のセルには、いつもどおり入力できます。
「シートの保護」画面は、シート見出しを右クリックして「シートの保護」を選んでも開けます。
計算するセルを選べないようにする
「シートの保護」画面で「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外すと、灰色のセルはクリックしても選べなくなります。入力する黄色のセルだけが選べるので、入力する人が迷いにくくなります。
パスワードは付けなくてもよい
「シートの保護を解除するためのパスワード」は、空欄のままでも保護はかかります。誤入力を防ぐのが目的なら、パスワードなしで足りることが多いです。
パスワードを付けた場合、忘れると自分でも保護を解除できなくなります。付けるなら、書き込みパスワードと同じように控えておきます。
保護を解除する
「校閲」タブ →「シート保護の解除」をクリックします。パスワードを付けていれば、入力を求められます。
よくあるつまずき
ロックしたはずのセルに入力できてしまう
原因: シートを保護していません。ロックは、シートを保護したときだけ効きます。
直し方: 「校閲」タブ →「シートの保護」で保護します。
シートを保護したら、入力するセルにも入力できない
原因: ロックを外す前にシートを保護しました。
直し方: 「校閲」タブ →「シート保護の解除」で保護を外し、入力するセルのロックを外してから、もう一度保護します。
「全般オプション」が見つからない
原因: 「ファイル」タブの「名前を付けて保存」の一覧を見ていて、保存の画面を開いていません。
直し方: F12 キーを押すか、「名前を付けて保存」の「参照」をクリックします。開いた画面の「保存」ボタンの左に「ツール」があります。
パスワードを付けたら、他の人がファイルを開けなくなった
原因: 「全般オプション」の「読み取りパスワード」の欄に入力しています。読み取りパスワードを付けると、知らない人はファイルを開くこともできません。
直し方: パスワードで開き、「全般オプション」で「読み取りパスワード」の欄を空にして保存し直します。編集を止めたいだけなら、「書き込みパスワード」の欄を使います。
まとめ
- 見るだけの人に読み取り専用で開いてもらう → 読み取り専用の推奨
- 決まった人だけが上書き保存できるようにする → 書き込みパスワード
- 入力するセル以外を変えられないようにする → ロックを外してから、シートの保護
- どれも誤操作を防ぐための設定。中身を見せたくないときは、別の方法を使う
手順の画面は Windows 版の Microsoft 365 の Excel です。クイックアクセスツールバーの画像だけは、以前の Mac 版の画面です。
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